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台風の残滓(2)

 僕がこの高校に通うようになってやがて半年が経つ。入学当初、第一志望校の受験に失敗しての不本意な入学だったため、気分が沈みがちだった。朝、地元の駅でかつての同級生が僕の憧れていた高校の制服を着ているのを見て嫉妬し、彼らと反対方向に向かう電車に乗ることに虚しさを覚え、吊り広告に僕が落ちてしまった高校の名を見付けるだけでも憂鬱な気分になった。そんな訳で学校に着く頃には、既に気が滅入ってしまっていた。
 教室の中、僕はひたすらぼんやりと窓の外を眺めて過ごした。ただでさえ内気な性格の僕は、クラスメイト達が友人の輪を広げていく傍で、次第に孤立を深めていった。
 憂鬱な日々に転機が訪れたのは、入学式から数週間が経った雨の日だった。
 駅から高校までは一キロ弱の距離だ。中央線のない道路の端を駅舎を出た生徒達が歩いている。それを自転車通学の生徒達が追い抜いて行く。いつもの通学風景だ。しかし、雨の日ということで、徒歩の生徒達は傘を差していた。そして自転車通学の生徒達はーー
 皆レインコートを着用していた。色取り取りのレインコートに身を包んだ少女達の姿に、僕は目を奪われてしまった。
 光沢感のある生地が艶めかしい輝きを発している。自転車を漕ぐ動作に合わせて衣擦れの音が響く。
 僕はペニスが起立していることに気付き、慌てて腰を引いた。そんな僕の様子に怪訝そうな表情を浮かべながら、セーラー服姿の少女が追い抜いて行った。
 僕がなぜレインコートフェチになったのか、正確なところは分からない。小学生の頃、テレビの中で、レインコートを着たきれいなお姉さんが台風の中継をしているのに見取れた記憶が残っているから、その辺りに原因があるのかもしれない。とにかく精通を迎える頃には、レインコートを着た女性が欲情の対象となっていた。
 その日を境にして僕の内部に変化が生じた。とは言っても、やっぱり僕は内気なままだし、後向きな考えをすることも多かった。しかし、僕の心の中にぽっかりと空いていた穴は確かに塞がっていた。
 朝起きて雨が降っていると心が弾んだ。教室の窓から見える空がどんよりと曇っているのを見て、胸が高鳴った。まったく雨が降りそうな気配がないときでも、わずかばかりの可能性に期待感を募らせた。
 楽しみができると人間、活力が湧き行動的になるものだ。僕は他の生徒より一ヶ月ほど遅れながら、部活動に入部した。中学時代にやっていたということで陸上部を選んだ。この時期の入部は引っ込み思案な僕にとり、なかなか勇気がいることだった。
 やはり僕はなかなか輪に入っていくことができなかったが、そんなとき気を回してくれたのが夏美先輩だ。人気者でいつも周りに人の集まる先輩が親しくしてくれることによって、自然に他の部員との繋がりもでき、内気な僕もなんとか集団に溶け込むことができた。
 しばらく経つと僕は先輩に恋心を抱いていた。もっともそれは成就することを念頭に置いたものではなく、単に憧れだった。それでも、いやそれだからこそ僕は、先輩と共に過ごす晴れた日の部活動の時間がたまらなくいとおしかった。
 こうして僕の高校生活は、雨の日も晴れの日も心踊るものとなった。

テーマ : フェチ
ジャンル : アダルト

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