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特別実習(9)

 目を覚ますと身体中汗びっしょりだった。呼吸は乱れ、胸は早鐘を打つように高鳴っていた。また子供の頃の夢を見ていた。最近良く見る夢だ。彼は頭を振り、夢の残り香を追い払った。視界の端に彼が横たわる白いふとんと、白い枕カバーが写る。洗剤の清潔な香が鼻腔をくすぐる。
「ずいぶんとうなされていましたよ」
 声が聞こえた。視界に女の顔が現れる。まだあどけなさの残る、初々しい顔が、ベッドに横たわる彼を見下ろしていた。女は頬を膨らませている。
「もう、しっかりしてくださいよ。わたし新米で、ただでさえ緊張してるんですからね」
 プンプン、という効果音が聞こえて来そうな表情で、しばし女は彼を見つめていた。
 女が一つ息をついた。そして、では行きましょうか、と言って顔を上げると、彼の寝ているキャスター付ベッドに手をかけて移動を開始した。
 廊下に出ると少しだけ肌寒く感じられた。無機質な白い天井に付いたしみが、足元から頭上へと流れていく。女が話かけてきた。理想や正義について語る彼女は、みずみずしく、健気で、青臭く、聞いていると少し恥ずかしくなった。
 長い廊下の突き当たりを左に折れ、さらにかなりの距離を進んだところにある部屋に入ると、女はベッドの移動を止めた。部屋の中は話し声に満ちていた。彼女はベッドから手を離すと、彼の視界から消えた。
 パチンという手を打つ音が響く。話し声が止まる。
「では授業を始めます。今日は特別実習です」
 女は緊張気味の声で言った。

 (END)

テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

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